2007年6月18日月曜日

グッドウィル


学生4年の1994年の冬、全ての試合が終わり
やることが無い学生は大体アルバイトを始める。

同期の何人かが日払いのアルバイトを見つけてきた。
そう”グッドウィル”だ。

その日のうちにお金がもらえるなんとも
貧乏学生にとってはありがたいバイトだった。

僕はすでに先輩の働いている居酒屋でバイトが決まっていたので
実際に働いたのは同期のJ里がグッドウィル内の事務のアルバイト始め、
人がいないから仕事に行ってくれないかとの依頼を受けたときだった。

新宿の西口をでて思いで横丁の脇を通り過ぎ、
青梅街道を渡って暫く行ったところにグッドウィルはあった。

部屋の大きさでいえば2Kの間取りで、
マンションの一室を事務所にした感じで
片方の部屋に事務机が並べられ同期のJ里はアメフトを
やってるときには見られなかった活きいきとした表情で机に向かい
もう片方の部屋は入り口とつながっていて若い男子が絶えず
出入りしているような部屋だった。

ドットインパクトプリンタの音が絶えず鳴り続けてそこから出る紙を
大事そうに金と一緒にしまいこむ若者たちで溢れていた。


そこではじめて、歳で言うと2つか3つ上のJ野さんに会った。
”どーもども”と軽い感じの挨拶だが、
少し黙って人をじっと見据える彼の挙動が、
いかにも仕事ができる人だというのはひしひしと感じられた。

とにかく仕事が好きな人だというのが印象に残る。

同期のJ里は廻りまわってグッドウィルに就職した。
ちょうどそれより少し前にJ野さん会う機会があった。

すでに六本木に事務所を構え役員になっていたJ野さん。
どこの馬の骨だか分からないような僕に丁寧に接してくれた。

”ちょっと働かない?”と彼は言った。
当時、学校に籍を残し居酒屋のバイトをずっと続けていて
あたかもそこの会社の社員のような感じで毎日をすごしていたが
昼間は暇だったので二つ返事でOKを出した。

結局、数ヶ月しかいなかったがJ野さんはここでも
就職先を紹介してくれたり、飯に連れてってくれたり良くしてくれた。

そしてその後は皆さんご承知のとおり、
店頭公開を果たし、ヒルズに会社を移した。

同期のJ里は暫くして辞めたが、もともと仕事好きの彼には
いい職場だったに違いない。


J野さんは今は大変だろうが元々仕事好きの彼には
もってこいの状況……では無いかもしれないが、
彼ならこの状況を乗り切るに違いない。

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